心臓が悪い方は読まないでください。
1999年12月31日に、仲良しの大学生男4人がシンガポールへ「卒業旅行」へと行きました。 ホテルに着くとフロントの人に「最高に見晴らしがいい部屋ですよ」と言われ、部屋の鍵を渡されました。 部屋は100階建ホテルの最上階。絶景に4人は驚きました。 夕方になり4人は「食事を兼ねて街に出かけよう」という話になり、エレベーターで1階まで降りるとフロントに呼び止められました。 「何時に戻られますか?」 「ちょっとわかんないです。」 「本日、2000年問題に対応する為23時55分から全館停電となりますので、それまでにはお戻り下さい。」 4人は「は~い」と言って街へ出かけました。 街は年末という事もあり、華やかで4人は時間を忘れ街で遊んでいました。 ホテルへ戻る頃には既に0時をまわっていました。 4人がホテルに戻るとホテルは停電していました。 4人がエレベーターで部屋に戻ろうとしましたが、停電している為エレベーターは動きません。 「仕方ない、ロビーで夜を明かすか・・・」と1人が呟きました。 数十分たちましたが、あまりの寒さにロビーでは夜を明かすのは厳しいと感じた4人。 すると一人がこう切り出しました。 「よし、階段で部屋へ行こう」 他の3人も「そうだな・・・」と思い、彼らは階段をのぼりはじめました。
5F・・・
10F・・・
20F・・・
40F・・・
「まだ40Fかよ・・・オレ、もう疲れたぁ、、、」
「オレも、もうダメだ・・・」
4人の体力は限界に近付いていました。 が、1人がまたこう切り出します。
「よしじゃあ、1F上がる毎に順番に怖い話をして、気を紛らわしながら行こうぜ」
「おっ、それ面白そうだな」
「確かに、気が紛れるかも」
少し活気を取り戻し、1F上がる毎に踊り場で「怪談話」をしては、また1F上がり・・・ それを繰り返していきます。
60F・・・
70F・・・
80F・・・
90F・・・
95F・・・
96F・・・
98F・・・
遂に99Fに到着しました。
次に話す人を除いた3人からは安堵の表情が浮かびます。
「ようやくあと1Fだな!」
「良く頑張ったよ」
「けど、話しながらきたお陰で結構楽しかったな」 様々な声が飛び交います、
一人を除いては・・・
「おい、次お前の番だぞ」
「早く話してくれよ」
3人が急かします。
少しの沈黙の後、最後の人が重い口を開きます。
「いいかお前ら、次の話はシャレにならんぞ」
みんな緊張した面持ちで聞き耳を立てます。
「実は・・・」
「ロビーに鍵、忘れた」